起業家に伝えたい大切なこと

起業家が知っておきたい社会保険のポイント

起業家バンク事務局

2017.04.30

社会保険とは?

厚生労働白書(2012)によると、社会保険とは、「誰しも人生の途上で遭遇する様々な危険に備えて、人々が集まって集団(保険集団)をつくり、あらかじめお金(保険料)を出し合い、それらの保険事故にあった人に必要なお金やサービスを支給する仕組み」となっています。

つまり社会保険とは国が運営する強制加入の総合保険のようなものです。

社会保険の種類

厚生労働白書によると、日本の社会保険には、健康保険(医療保険)、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つがあります。

社会保険の全体イメージ図

社会保険の全体イメージ図一般的に、健康保険と厚生年金保険の2つが「社会保険」と呼ばれています(狭義の意味)。このとき介護保険は健康保険と同じくくりで考えられています。
狭義の社会保険に対し、雇用保険と労災保険の2つを「労働保険」と呼びます。

 

※以下、当記事の社会保険は狭義の意味(健康保険+厚生年金保険)で使用します

 

 介護保険は最も新しい社会保険

介護保険は急増する介護ニーズに対応するために作られた保険制度です。 介護保険は40歳以上が被保険者となり、40歳以上の人が健康保険料に合わせて支払います。65歳以上は原則、年金から天引きされます。

介護保険は、事業主であるか従業者であるかを問わず、また社会保険への加入の有無に関係なく、40歳以上になれば一律介護保険の加入者となり介護保険料を支払います。

 

社会保険の加入が義務付けられている事業所(=強制適用事業所)

社会保険の加入が義務付けられている事業所は、次の2つです。

会社(たとえ代表者が1人でも加入義務があります)

常勤の従業員が5人以上いる個人事業所(一部の非適用業種を除く)

 

 「常勤の従業員」の意味

正社員は常勤の従業員に該当します。パート、アルバイト等であっても、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上ある場合は常勤の従業員に該当します。

 

 「一部の非適用業種」の例

社会保険への加入が強制適用されない非適用業種は次の通りです。これらの業種は、常勤の従業員が5名以上であっても社会保険への加入は強制されません。

・農林水産業

・接客サービス業(飲食業、旅館業、理美容業など)

・弁護士などの士業(サムライ業)

 

社会保険の加入条件と被保険者の範囲

社会保険と被保険者(加入対象者)の関係は下の一覧表のとおりです。

 社会保険と加入対象者の関係図

社会保険の範囲を示す一覧表

 

 パート等の短時間労働者と「社会保険」の関係

週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、同種の業務に従事する正社員の労働時間および労働日数のおおむね4分の3以上である場合は、原則、被保険者として取り扱うことになります。

 

 パート等の短時間労働者と「雇用保険」の関係

1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合は、雇用保険の加入手続きが必要です。ちなみに労災保険は、パートやアルバイトといった雇用形態は関係なく、1日でも雇用していれば加入手続を行う義務が生じます。

 

社会保険料のまとめ

社会保険料率の一覧

事業主(=会社や個人事業主)が負担する社会保険料率は、従業員の給与の概ね15%~16%になります。なお保険料率は一般的な例で示しています。

社会保険料率のまとめ

 

社会保険料率のまとめ

 

現在、事業主が支払う社会保険料は従業員の給与の概ね15%~16%ですが、少子高齢化の影響により、社会保険料の負担率は年々増加傾向にあります

なお、雇用保険と労災保険に関しては、業種によって保険料率が異なりますので、詳しくは厚生労働省や労働局のホームページなどでご確認ください。

事業主が支払う社会保険料の計算

実際の社会保険料は、次の計算式で求められます。

 

・健康保険料  = 標準報酬月額 × 健康保険料率

・介護保険料  = 標準報酬月額 × 介護保険料率

・厚生年金保険料= 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率

・雇用保険料  =  賃金総額  × 雇用保険料率

・労災保険料  =  賃金総額  × 労災保険料率

 

標準報酬月額とは、基本的に月、5月、6月の給与の平均額をもとに算出した月額の金額です。一方、賃金総額は、事業主が労働者に対して支払う「賃金」「手当」「賞与」などで、税金や社会保険料等を控除する前の年間の支払総額です。

標準報酬月額で計算する「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」は毎月末に納付します。「雇用保険」「労災保険」は年に1回の納付します。(6月~7月頃)

そもそも納付の方法が違うということもあり、計算のベースとなる報酬(賃金)の考え方も違っています。

まとめ

社会保険料は中小企業の法人にとっては非常に負担が大きいものです。社会保険料の概算金額をどのように計算するか確認しておくことは大切なことです。いつ、どの程度の金額を支払う必要があるのか、しっかり把握しておきましょう。 

 

今回はここまで。
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