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【2024】小規模事業者持続化補助金の創業枠は最大250万円

起業家バンク事務局

小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)は、「小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度」です。一定の期間をおいて何度も繰り返し申請ができる使い勝手のいい補助金の一つなので、この機会に補助金の内容を知っておきましょう!

小規模事業者持続化補助金に申請できる人

下記に該当する法人、個人事業主、特定非営利活動法人が対象となります。商工会議所・商工会が管轄している補助金ですが、会員、非会員を問わず応募が可能です。

商業・サービス業 常時使用する従業員の数 5人以下
宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数20人以下

この常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。常時使用する従業員の詳細は、こちらの記事で確認してください。

補助金が交付されるまでの流れ

補助金を申請するには、まず「事業計画書」の作成が必要となります。いわゆる補助金を使ってどのような事業計画を行うのかなどをまとめた資料です。この事業計画書を作成した後、申請⇒採択·交付決定の通知⇒補助事業計画の実施⇒実績報告⇒確定検査・補助金額の確定⇒清算払請求⇒補助金振込(入金)という流れになります。

補助金の申請から入金まで早くて半年、遅いと1年後ぐらいになります。補助金はあくまでも「補助」されるお金です。事業計画書に記載した内容をまず自己資金で実施して、その一部が後で「補助」されること、事前に補助金を受け取れるわけではないことを知っておきましょう

補助金の対象となる経費

補助金の対象となる経費は次の1~10に該当する経費となります。事業計画書を提出して採択された後に決定される交付決定日から、事業実施期限までに発注・支払いが完了したもののみが対象となります。そのため、交付決定前に実施した取組、事業実施期限を過ぎて行った取組については補助金の対象外となります。

また、2023年までは雑役務費(臨時で雇用するアルバイトや派遣社員等)も対象となっていましたが、2024年以降は、補助対象外となりました。

1.機械装置等費

事業計画の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費です。事業に必要な機械全般が対象となりますが、自動車、パソコン、タブレット、テレビ、一般事務用ソフトウェアなど汎用性が高く事業計画以外の目的でも使用できるものは対象外となります。

2.広報費

パンフレット・ポスター・チラシ・看板等を作成するための経費、雑誌などの広報媒体等に掲載するための経費などが対象となります。ウェブ広告や動画に関する広報費用については、次のウェブサイト関連費に該当します。

3.ウェブサイト関連費

販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費、ウェブ広告の経費などが対象です。ただし、小規模事業者持続化補助金は、このウェブサイト関連費のみで申請はできないルールとなっています。またウェブサイト関連費は、補助金申請額の4分の1(最大62.5万円)が上限となるため、全体の4分の3はウェブサイト関連費以外で申請する必要があります。

4.展示会等出展費

新商品等を展示会等に出展する経費、商談会に参加するために要する経費などが対象です。展示会等出展費はオンラインによる展示会・商談会を含みます。展示会の出展費等だけではなく、出展に関連する運搬費・通訳料・翻訳料も補助対象経費として認められます。

5.旅費

展示会の会場との往復費用やホテル代など、移動や宿泊のための旅費などが対象です。移動に要する経費については、公共交通機関を用いた最も経済的および合理的な経路により算出された実費となります。そのため、ガソリン代やレンタカー代などは補助対象となりません。

6.開発費

新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費などです。

7.資料購入費

補助事業遂行に必要不可欠な資料や図書等を購入するために支払われる経費です。ただし、取得単価(税込)が10万円未満のものに限られます。

8.借料

補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費です。ただし、メインの店舗や事務所に関する家賃などは補助対象となりません。

9.設備処分費

作業スペースを拡大する等の目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する経費、借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費などが対象です。

10.委託・外注費

上記1から10に該当しない経費であって、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託・外注するために支払われる経費です。委託・外注費は店舗の工事など自ら実行することが困難な業務に限られます。

小規模事業者持続化補助金の創業枠の要点

小規模事業者持続化補助金には応募できる枠が複数あり、そのうちの一つが「創業枠」となります。創業枠とは、創業した事業者を重点的に政策支援するためのもので、自治体等が実施している「特定創業支援等事業」による支援を受けた創業者のみが申請できます。

特定創業支援等事業による支援を受けていれば、特定創業支援等事業による支援を受けた地域以外で創業した場合も、小規模事業者持続化補助金の創業枠の申請対象となります。そのため、必ずしも創業する地域の特定創業支援事業を受ける必要はありません

なお、創業枠で申請できる創業者は、公募締切時から起算して過去3年の間に受け、かつ、過去3年の間に開業した人に限られます。また、申請時点で開業していない創業予定者や3年以上前に創業した創業者も対象外となります。

最大250万円が補助される

小規模事業者持続化補助金の創業枠の補助率、補助上限額は次のとおりです。

・補助金額: 200万円
・インボイス特例: +50万円
・補助率: 3分の2

補助金の額は、補助対象経費の合計額に補助率を乗じた額となります。つまり、200万円の補助を受けたい場合は、300万円を使う事業計画である必要があります(300万円の3分の2の200万円が補助される)。

インボイス特例とは「インボイス制度」に登録した事業者となります。しかし、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換した小規模事業者が対象となるため、もともと課税事業者であった方がインボイス登録をしても、インボイス特例の対象になりません。このインボイス特例を利用することで、補助上限額が50万円上乗せされ、最大250万円の補助となります。

創業枠で申請するときの注意点

1.特定創業支援事業への参加はタイミングが重要

創業枠で申請するためには「特定創業支援事業」の支援を受けたことの証明書が必要です。この特定創業支援事業は各市区町村がおこなっている創業者を支援する活動で自治体等が主催しており、開催時期、開催場所が限定されています。また、特定創業支援事業にも定員もあり、参加しようとしても定員オーバーで参加できない場合もあります。そのため、自分の都合のいいタイミングで特定創業支援事業を受けられるわけではないことに注意しなければなりません。特定創業支援事業の内容は自治体等によって異なりますので、いつ、どのような支援があるのか、近くの商工会議所・商工会に事前に確認した方がいいでしょう。

2.特定創業支援事業は経営者本人が受けること

この特定相談支援事業ですが、法人の場合は、法人の代表者が特定創業支援等事業による支援を受けなければなりません。代表者以外の役員や従業員等が支援を受けた場合は無効となります。個人事業主の場合は、個人事業主本人が特定創業支援等事業による支援を受ける必要があります。個人事業主以外の家族専従者や後継者などが受けても無効となるので注意しましょう。

3.特定創業支援事業の証明書の発行にも時間がかかる

創業枠で申請する場合、「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書の写しを提出する必要があります。この証明書ですが、すぐに発行してもらえるとは限りません。発行までに数週間かかることもあり、申請締切日までに発行が間に合わないケースも多々あります。特定相談支援事業の支援を受けた後は、すぐに証明書の発行手続きを行いましょう。なお、証明書の発行日が過去3年以内であれば証明書の有効期限が過ぎていても、小規模事業者持続化補助金への申請は可能です(証明書を再発行する必要はありません)。そのため、仮に小規模事業者持続化補助金が不採択となっても、次回申請するときに、その証明書を再利用することができます。

4.創業するための資金としてはNG

小規模事業者持続化補助金の創業枠は「創業」という言葉が使われていても「創業補助金」ではありません。小規模事業者持続化補助金は、「自社の経営を見直し、持続的な経営に向けて実施する販路開拓や生産性向上の取組」を支援する補助金です。したがって、すでに税務署に開業届を提出していても、申請時点までに事業を開始していない場合は補助対象外となります。あくまでも稼働している事業者のみが対象となり、事業が稼働していないとみなされる場合は対象になりません。つまり、そもそも事業を開始するのに必要不可欠な設備(店舗の内外装費や機械の購入費など)には使用できません

5.補助金は要件を満たしても受け取れない

補助金は要件を満たした人に全て補助されるわけではありません。作成した事業計画書が審査され、その評価の高い順に採択者が決まります。予算が尽きた段階で足切りとなるため、事業計画書が評価されなかった場合は補助金を貰うことはできません。

まとめ

小規模事業者持続化補助金は補助率が3分の2となっており、3分の1は自己負担となります。そのため、補助金が貰えるからといって不要なものを申請したのでは本末転倒といえます。何かチャレンジしたい取組があって、そのために補助金を活用するといったスタンスで応募する方がいいでしょう。

今回ご紹介した「創業枠」は創業から3年以内の小規模事業者を支援する制度です。小規模事業者持続化補助金を含め補助金は繰り返し何度も利用ができますので、上手く補助金を活用して資金繰りを安定していきましょう!

今回はここまで。
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