起業家に伝えたい大切なこと

常連客が生まれるチラシの配り方

木村 美季

2019.11.08

こんにちは。

10年以上続く飲食店総合サポートコンサルタントの木村美季と申します。
以前は地元の大阪で、飲食店経営を夫婦で始め(夫は料理人、私はほぼ素人からスタート)15年間女将をしておりました。

その後、飲食店専門コンサルタントとして起業し現在に至ります。
飲食店の開業サポートや人材育成を中心に活動しております。

 

前回は「飲食店の開業準備に一番大切なこと」(2019.11.01)というテーマでしたが、今回は「チラシの配り方」について、お伝えさせていただきます。

 

ただし「観光地化している場所など」で「その場で、即ご入店いただく配り方」
とは若干異なり「配ったことにより、いつか来店して下さる配り方」です。

 

効果の出る期間は「お渡しした方それぞれ」ですが、私の経験上では1ケ月以内、
早い方ならその場ですぐ、または、3日~1週間以内には、ご来店下さっていました。
ですので、読んでいただいた後、あきらめずに配布を続けてみて下さい。

 

ちなみに、以下の「常連客が生まれるチラシの配り方」は、私が以前、自営業の開業間もない小さな居酒屋で実行していたことをまとめました。

経費をかけられない
→夫(頑固な料理人)は、食材以外の経費の使い方に厳しい人。

人脈を使えない
→夫と私が独立前に勤めていた飲食店のオーナー夫妻に気遣い、当時の常連さんとの一切の関わりを立っていました。

時間がない
→夫と私の二人きりで運営しており、二人ともかなりのオーバーワークの中で、それぞれ仕事をしており、無駄な時間は一切ありませんでした。

 

この様な環境の中で、日々の気づきから工夫して生まれた、チラシの配布バイブルです。

 

《常連客が生まれるチラシの配り方》

①【ターゲットを決める】

お店の業種・大きさ・客単価により「来店してほしいお客様」は必ずあります。
「どんなお客様に来店してほしいのか?」決めましょう。
※ターゲットを決めることは、条例違反になります

②【配布の時間帯】

チラシは①で決めたターゲットに、来店してほしい時間帯に配りましょう。
または、ターゲットがお店の前を通る時間帯に配りましょう。
後者は「毎日、同じ時間に配っているので、もう配り尽くしたのでは?」と思ったら配布時間帯を変えてみて下さい。(例:サラリーマンなら朝の通勤時間帯、等)
※ターゲットを決めることは、条例違反になります

③【表情は、微笑み(ほほえみ)キープ】

顔つき(表情)は常に、微笑みキープ。あまり「満載の笑顔」は敬遠されますので注意。

ただし「笑顔に自信がない」「笑顔を作るのが苦手」と自覚のある方は、これでもか!と思うくらいの「満載の笑顔」で。これで客観的にみて丁度くらいかと思います。普段から口元が下がりぎみの方は、常に意識して長時間キープ!

④【声のトーン】

配る時に、ハッキリと声を出す。必要以上に大きな声を出すのはNGですが、
妙に小声や、無言などは「手に取っていただける確率がぐんと減ります。」

⑤【言葉】

私の場合は「また宜しくお願いします!」とだけ伝えながら、渡していました。
「今から、どうですか?」等は「客引き行為」と思われる可能性もあります。
また「(今から)来てください!お願いします!」等も、「しつこい」「不快」と
思われると通報される可能性もありますので、かける言葉を、あらかじめ決め
条例違反でないか?確認しておくとよいでしょう。

⑥【服装】

「どんな人が配っているのか?」が通行人から分かると「怪しさ」が無くなります。「怪しい」と判断されると手に取っていただけません。
私の場合は、当時「居酒屋」でしたので《ハッピ》が制服でした。冬場は寒く冷えるのでジャンパーを上から着ていましたが、前のチャックは、どんなに寒くても必ず開けていました。チャックを全部閉めてしまうと、私の存在が、何者なのが全く?になりますので、チラシを受け取っていただくチャンスを逃してしまうからでした。

⑦【方角】

同じ方向ばかり見て配らない。お客様は、四方八方いろんな所から歩いてこられます。
右…左…後…と常に、向きを変えてお配りしましょう。少しのチャンスも逃さずに!

⑧【場所】

しばらく配っていると(もしかして、邪魔?)や、(人通りが全くない…)等、色々と気付いてくると思います。その時は、場所を少し移動してみて下さい。
※配布禁止地区での配布はできません

⑨【持ち方】

チラシは、扇子状に5~10枚くらい持つ。(大きいチラシ、分厚いチラシなら少なくても可)また、配布時間が30分を過ぎるならチラシがヨレヨレにならない様に、常に注意して持ち続けること。

⑩【渡し方】

お客様が受け取って下さった時、必ずお客様が見やすい方向に向けて、お渡しする。お客様が二人連れの方などには、自分から近いほうの方に2枚一度に渡す。

⑪【リアクション】

「受け取って下さった時」
この時は「満面の笑み」で「有難うございます!」と、お伝え下さい。また、混雑した中であれば、顔は「満面の笑み」で「喜びのリアクション」を表し、一礼や、軽く頭を下げる等して下さい。「受け取って下さって有難うございます。」という姿勢が伝わることが大切です。

「拒否された時」
差し出しても「いらないです」と言われたり、「いらない等の」リアクションをされたりした時は、必ず「失礼しました。」または「すみません。(でした。)」としっかり、お客様に届くようにお伝え下さい。この丁寧な一言が、次回以降に受け取っていただけるチャンスを生み出します。

⑫【諦めない】

携帯でお話中の方にでも、諦めずに配ってみて下さい。この時の最大の注意は《お電話の邪魔にならないように、最善の注意を払う》事。
私の場合は、口パク&ジェスチャーで(笑)差し出したら、電話中の方もジェスチャーで(笑)受け取って下さる事が多かったです。受け取って下さったら、もちろんこの時も口パク&ジェスチャーで(笑)「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」と忘れずに。

⑬【態度】

恥ずかしがらず、堂々と配る。偉そうな態度は論外ですが、チラシの場合は「小さな声」「極度に控えめ」な配り方は、ほぼ手に取っていただけません。特にチラシを配ったことがない方は、恥ずかしかったり、緊張されるかもしれませんが、勇気を出して配り続けて下さい。
また、開始してから20〜30分くらい配っていると、だんだん、疲れてきて、無表情になってきたり声が小さくなってきたりするので、たまに、ふと振り返り(だらけてないか?)確認もして下さいね。

⑭【客引き行為はしない】

私が配っていた2000年~2005年頃より、今はかなり規制が厳しくなっていますので、何度も書いてますが、配り方には最善の注意が必要です。ですが、そもそも、強引に来ていただいても、印象が悪くなるだけで、次のご来店に結びつくとも思えません。
ご来店は、あくまでも《お客様の意思》にまかせる事。その上で「今から行きます。」と言って下さったら《最大の喜び》を伝え、お店まで丁寧にご案内して下さい。

 

 

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実際にチラシ配りを実行する前に「客引き行為の防止に関する条例」と「客引き行為禁止地区」など、細かい禁止事項の確認を必ず行って下さい。

お店の住所(○○県○○市)と共に検索すると、市のホームぺージ等がヒットしますので、よく分からないことは直接、連絡し確認・理解してから実行しましょう。

 

最後になりますが、これらは、コツコツ地道な方法です。

しかし通行人の方は「誰が」「何を」「どんな風に配っているのか」案外と、見てらっしゃいます。そのうえで、あなたが「毎日、頑張って配っている姿」を見続けていると、最初は受け取って下さらなかった方も、しだいに「毎日、配ってるね。」とか「何を配ってるの?」とか「どこのお店?」等、お客様から話しかけて下さることも結構あります。

そのやり取りからその後、何名もの方が常連さんになって下さいました。
ですので、反応がなくても1年くらいは続けて欲しいです。

 


この記事を書いた人

木村 美季
10 年以上続く飲食店開業・運営コンサルタント
一般社団法人 日本ほめる達人協会 特別認定講師
ミラサポ(中小企業庁)専門家派遣講師
大阪産業創造館 経営相談室あきない・えーど 登録専門家


大阪府茨木市在住。女将歴 15年。飲食店の女将として 10 年間の夫婦営業。
2010 年に夫が急逝。
その後、自身の体験を活かし、飲食専門コンサルタント&講師として起業。
現在は開業や廃業支援(売上げアップ)の他、人材育成にも携わる。
開業サポート実績は、居酒屋・日本酒メイン創作料理・中華料理・日本酒メイン創作料理居酒屋・日本酒メイン bar・カフェ ・ シェアルームカフェ・ブックカフェ・モデルルーム併設カフェ ・海鮮丼居酒屋 など、小さな個人経営の飲食店が多い。

 

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