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【2022年】5分で分かる小規模事業者持続化補助金

起業家バンク事務局

小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)とは、小規模事業者が、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する国の補助金です。これまでも数年にわたり公簿が行われ、幅広い業種・用途で活用できる唯一の補助金で人気の補助金となっています。2022(令和4)年度の持続化補助金は、過去に公募された持続化補助金と大きく枠組みが異なっており、もっとも注目されている補助金の一つです。

なお、この記事では持続化補助金の概要を解説していますが、補助金の性格上、ルールが多くて分かりづらい点も多いと思います。起業家バンクは「マンパワー不足の事業者でも平等に補助金を利用できる仕組みを作る」をモットーに、持続化補助金に関するご相談を広く受け付けておりますので、個別にお聞きしたいことがある場合は、起業家バンクの公式LINEもしくは下記のURLにある相談フォームからご質問ください。

起業家バンク公式LINE
持続化補助金の相談フォーム(動画あり・下部に相談フォームがあります)

補助金を申請できる対象者

持続化補助金は、事業をしている小規模の中小事業者の大半が対象となっています。法人だけではなく、フリーランスや個人事業主も対象です。主に次の2点に該当すれば持続化補助金を申請できる対象者になります。なお、よくある質問ですが、商工会や商工会議所の会員でなくても申請することは可能です。

要件1 小規模事業者であること

小規模事業者の定義は、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」に規定されています。簡単に言うと「常時使用する従業員の数」によって小規模事業者か否か決まります。なお、業種ごとに小規模事業者として認められる「常時使用する従業員の数が異なる」ため注意が必要です。具体的には以下のとおりとなります。

小規模事業者の要件

・商業、サービス業(宿泊業・娯楽業除く) ・・・常時使用する従業員の数 5人以下
・サービス業のうち宿泊業・娯楽業  ・・・常時使用する従業員の数 20人以下
・製造業その他  ・・・常時使用する従業員の数 20人以下

仮に、飲食業と建設業など、複数の事業を営んでいる場合は、「その他」として判断し、常時使用する従業員の数が20人以下であれば対象となります。また、「常時使用する従業員」の定義は、主に次に該当しない方が常時使用する従業員となります。

常時使用する従業員に該当しない方

・会社役員
・個人事業主本人および同居の親族従業員
・育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員(申請時点)
・パートタイム労働者等

このほか、詳しく説明するとキリがありませんが、長期契約を前提としない有期契約の社員も常時使用する従業員に該当しません。また、何を基準としてパートタイム労働者に該当するかという疑問がわくと思いますが、おおむね1日の労働時間が5時間以下、月の労働日が15日程度の労働者はパートタイム労働者と考えていいでしょう。

要件2 下記の業種に該当しないこと

持続化補助金は、いわゆる商工業者が対象となりますので、モノ(サービス)を販売する業種、モノを作る業種が対象となります。商工業者に該当しない医療系、非営利系、農業系の業種は対象外となりますのでご注意ください。主に次の業種に該当しなければ、持続化補助金に申請することができます。

持続化補助金に申請できない業種

○医師、歯科医師、助産師
○系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
○協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
○一般社団法人、公益社団法人
○一般財団法人、公益財団法人
○医療法人
○宗教法人
○学校法人
○農事組合法人
○社会福祉法人
○申請時点で開業していない創業予定者

補助金の交付額・補助率

2022年度の持続化補助金は、これまでの通常枠に加え、特別枠(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠、インボイス枠)が新設されており、枠によって補助金の額や補助率が異なります。このうち、通常枠、特別枠のいずれか1つの枠のみ申請可能です。1つの枠を申請して採択(申請が認められること)されると、2022年度中は別枠で申請することができませんので注意しましょう。なお、補助率については、後ほど簡単に説明しています。

通常枠

要件

なし(特別枠に該当しなければ、通常枠で申請します)

補助金額・補助率

最大50万円・3分の2

賃金引上げ枠

要件

販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上とする小規模事業者が該当します。なお、すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上を達成している場合は現在支給している事業場内最低賃金より+30円以上とする必要があります。

補助金額・補助率

最大200万円・3分の2(赤字事業者の場合は、4分の3に引上げ)

卒業枠

要件

販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者が該当します。つまり、先ほど解説した「常時使用する従業員の数」が、事業計画終了後に商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)の場合は6人以上、サービス業のうち宿泊業・娯楽業の場合は21人以上、製造業その他の業種の場合も21人以上となっていれば要件に該当します。

補助金額・補助率

最大200万円・3分の2

後継者支援枠

要件

販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた小規模事業者が該当します。

補助金額・補助率

最大200万円・3分の2

創業枠

要件

産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者が該当します。具体的には、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業による支援」を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ、過去3か年の間に開業した事業者が対象となります。メリットも多いので、創業者の方は、ぜひ特定創業支援等事業を受けておきましょう。

補助金額・補助率

最大200万円・3分の2

インボイス枠

要件

免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業が該当します。2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者に登録した事業者が対象となります。

補助金額・補助率

最大100万円・3分の2

補助金を活用できる使いみち(補助対象経費)

持続化補助金は、幅広い用途に使える唯一の補助金です。しかし、過去の持続化補助金と比べると使いえる用途が狭まっています。この点、使い勝手は多少悪くなりましたが、それでも使える用途は広いので、該当する販路開拓の取り組みがあれば積極的に活用しましょう。

補助対象となる経費

①機械装置等費:製造装置の購入等
②広報費:新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等
③ウェブサイト関連費:ウェブサイトやECサイト等を構築、更新、改修するために要する経費
④展示会等出展費:展示会・商談会の出展料等
⑤旅費:販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
⑥開発費:新商品・システムの試作開発費等(販売商品の原材料費は対象外)
⑦資料購入費:補助事業に関連する資料・図書等
⑧雑役務費:補助事業のために雇用したアルバイト・派遣社員費用
⑨借料:機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
⑩設備処分費:新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
⑪委託・外注費:店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に依頼(契約必須)

③ウェブサイト関連費の注意点

この点が制度の改悪となった点ですが、ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の4分の1が上限となっています。例えば、補助金確定額を50万円とした場合、そのうち12.5万円までがウェブサイト関連費として計上可能です。人口が大都市に集中し、地方で減少する二極化が進む中、インターネットやSNSなどを活用して地域の垣根を超える取り組みは必須の販路開拓といえますが、このウェブサイト関連を活用した販路開拓に持続化補助金を充てることが制限されることになります。一方、インターネットを介さない郵送によるDMはウェブサイト関連費には当たらないので、DMであれば全国的に展開したとしても制限なく補助金を利用することができます。ウェブサイト関連費は効果が見えづらく不正も多い使いみちだったので仕方がない処置だったかもしれませんが、販路開拓の最も有効な手段の一つであることは疑いようがないので、次年度の改正によって元に戻ることを期待したいところです。

具体的にウェブサイト関連費に当たる費用

・商品販売のためのウェブサイト作成やリニューアル
・インターネットを介したDMの発送
・インターネット広告
・バナー広告の実施
・商品販売のための動画作成
・ウェブサイトを用いながら利用する販路開拓に必要なシステム開発

補助金の申請にあたり注意しておくこと

補助金の申請にあたり、よくある勘違いを2点解説します。

補助金を貰える時期は、申請して約1年後

補助金は、事業者が行う販路開拓の取り組みを「補助」する資金となります。そのため、上記の補助対象となっている特定の経費のうち、自己資金で支出したものの一部が、事業終了後の確定検査を経て補助されることになります。つまり、事前に補助金を受け取って経費に支出するのではなく、おおむね1年後に後払いで戻ってくる資金であることに注意しましょう。また、支出した金額の全額が補助されるわけではなく、仮に補助率が3分の2であれば、支出した金額の3分の2が戻ってくることになります。つまり、3分の1は自己負担となるため、特定の使いみちがなければ無理に使う必要はありません。これから行う販路開拓の取り組みに上手くタイミングが合えば補助金を利用するといったスタンスで考えましょう。

補助金は申請しても貰えないことが多い

国の補助金は、国の助成金や給付金とは、似て非なるものです。助成金や給付金は申請要件を満たせば必ず貰えるものですが、補助金は要件を満たしたからといって、すべての事業者に補助されるわけではありません。補助金には予算があり、申請内容を審査して、評価の高い順に採択者が決まります。採択されるか否かは、主に申請資料として提出する「事業計画書」の完成度で決まります。ヒアリングなどはされませんので、事業計画書の記載内容だけ相手に伝わるように、しっかりと書き込むことが必要となります。

申請の方法

事業計画書を作成し、必要資料を整えたうえで電子申請または郵送により申請します。電子申請に際しては、補助金申請システム(名称:Jグランツ)の利用になります。Jグランツを利用するにはGビズIDプライムアカウントという経済産業省管轄のアカウントの取得が必要となります。アカウントの取得には数週間程度を要しますので早めに利用登録を行いましょう。申請時の提出資料や様式などは、非常に細かく説明が困難であるため、持続化補助金のホームページや公募要領を確認してください。また、商工会地区と商工会議所地区では、様式や郵送先が異なりますので、この点についてもしっかり確認しましょう。

まとめ

補助金の財源は国の税金となりますので、申請のルールは厳格です。そのうえ、ルールも多く独特の言い回しがあり、分かりづらい点が沢山あると思います。起業家バンクでは「マンパワー不足の事業者でも平等に補助金を利用できる仕組みを作る」をモットーにしており、持続化補助金に関するご相談を広く受け付けております。個別にお聞きしたいことがある場合は、起業家バンクの公式LINEもしくは下記のURLにある相談フォームから、お気軽にご質問ください。

今回はここまで。
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