起業家に伝えたい大切なこと

起業家が銀行融資の審査で必ず聞かれる31のポイント

起業家バンク事務局

審査員と面談

起業家が銀行から融資を受けるためには審査が必要です。起業家が融資審査で聞かれるポイントをまとめると100項目を超えますが、今回はそのうちの31項目を厳選してお伝えします。本番で舞い上がってしまって「アピールしたいことが全然言えなかった」とならないように、しっかりと心の整理をしておきましょう。

起業家のこと

審査員は起業家と初めて会うわけですから、起業家の人柄や価値感について詳しく知りたいと考えます。まず自分自身のことについて整理しておきましょう。

1.氏名や住所

氏名や住所とともに、出身地や居住年数について聞かれます。また本人確認資料として、原則、運転免許証の提示を求められます。たかが本人確認と思ってはいけません。運転免許証には起業家の人間性が表れているのです。

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2.家族の状況

起業初期は、事業も家計も同じサイフになることが多いので「家計費」に関わることを聞かれます。具体的には、扶養家族の有無、家族の年齢、家族の収入、個人的な借入金などです。ケースによっては裏付け資料を求められることもあります。

3.職歴

どのような会社に何年ぐらい勤務していたのか職歴を聞かれます。学校卒業以降の職歴を時系列で整理しておきましょう。また、これまでの職歴が今回の起業にどのように活きるのか説明できるようにしておきましょう。

4.仕事の内容

前に勤めていた会社でどのような仕事をしていたのかを聞かれます。営業職や技術職といった大ざっぱな話ではなく、営業職で〇〇をしていた、技術職で▲▲を製造していたなど、細かく伝えましょう。

5.会社内での地位

前に勤めていた会社の役職地位)聞かれます。パート・アルバイト、正社員、管理職といった説明ではなく、その役職でどのような役割を持って仕事をしていたのかを伝えましょう。

6.勤務時の年収

起業前の年収について聞かれます。会社に在籍していたことの裏付けも取れるので、源泉徴収票の提出を求められることが多いです。

 

起業融資

自己資金のこと

自己資金は多ければ多いほど事業が安定するので、審査では自己資金に関わることを詳細に聞かれます。なお申請者が会社の場合、資本金の金額に注意しましょう。資本金は1円でも会社設立ができますが、資本金があまりに少ないと審査は不利になるかもしれません

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7.自己資金をどのように貯めていたのか

自己資金をどのように貯めたのかを聞かれます。退職金、保険の解約、毎月3万円ずつ貯金したなど、その経緯を答えましょう。上記1~6で収入と支出が把握できるので、自己資金の額が多すぎたり、少なすぎたりすると、その理由について説明を求められます

8.自己資金をどこで貯めていたのか

自己資金をどこで貯めていたのかを聞かれます。銀行の普通預金(定期預金)、証券会社などが答えになると思います。なお、タンス預金(現金)は本当に自分のお金なのか確認できないので自己資金として認められないケースもあります。

9.出資比率

融資の申請者が会社の場合、資本金の出資比率について聞かれます。会社の実質的なオーナーを確認するためです。出資比率が高いオーナーがいる場合は、共同経営者として扱われることもあります。

10.通帳の収入支出

預金通帳に記帳されている経緯の分からない収入使途が分からない支出などを聞かれます。

11.すでに消費した資金

すでに消費した自己資金の額・内容を聞かれます。領収書や通帳口座などを提示して、何に対していくら消費したのか説明しましょう。

 

審査員と面談

起業のこと

事業計画の話に入る前に、起業に関する全般的なことを聞かれます。

12.社名・屋号の由来

社名や屋号の由来を聞かれます。会社の理念事業のコンセプトなどを伝えて共感してもらいましょう。

13.起業のきっかけ

事業を始めようと思った「きっかけ」を聞かれます。申請者の経歴、仕事内容、資格や価値観などを総合して不自然な点がないかチェックされます。

14.起業準備を始めた時期

いつぐらいから起業の準備をしたのかを聞かれます。経歴や自己資金の蓄積時期などと不整合であれば説明を求められます。あまりに直近だと、計画性に疑問を持たれるかもしれません。

15.会社の役員

会社の役員(創業メンバー)の職歴や役割などを聞かれます。ケースによっては、役員とどのように知り合ったかなど関係性の深さについても聞かれます。

16.会社の事業目的

申請者が会社の場合、定款に記載している事業目的について聞かれます。事業目的があまりに多いと説明を求められることがあります。

17.賃貸契約書

自宅や店舗(事務所)を賃貸している場合、賃貸契約書の提出を求められます。契約書の契約名義人や使用目的などに問題があれば、その点について聞かれます。

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18.営業許可(資格)

営業許可(資格)の有無、名義人の氏名を確認をします。名義人が本人以外の場合は、本人との関係性について聞かれます。

 

審査員と面談

事業計画のこと

ここからが本題になります。事業計画に関することを詳しく質問されます。

19.ターゲット

ターゲット層と、なぜそのターゲット層を狙うのか理由を聞かれます。販売する商品やサービスの説明とからめて説明すると分かりやすいでしょう。商品やサービスは「あなたの商品(サービス)を購入すると顧客にとってどんな良いことがあるのか?という利用価値を考えると、ターゲットを絞りやすくなるかもしれません。

20.競合他社

同じ商圏で競合する会社を聞かれます。起業家は後発組となるので、自社の商品やサービスを決めるときは、通常、競合の「強み・弱み」を調べて差別化します。競合を聞かれたときは、競合の商品と自社の商品がどのように違うのか説明しましょう

21.事業の強み

多くの競合の中から「なぜ、あなたの会社が選ばれるのか?」を聞かれます。この答えが事業の強みです。審査員の質問の中で、もっとも重要な質問の一つです

22.立地

事務所や店舗の立地状況について聞かれます。住宅地域、商業地域、工場地域など大まかなものではなく、最寄り駅から徒歩〇分、周辺の世帯数、人通りや車通りなど、審査員がイメージできるように伝えましょう。

23.営業日・営業時間

営業日・営業時間について聞かれます。営業日・営業時間が確定していない場合は「未定」と答えましょう

 

設備

資金計画のこと

事業計画と資金計画は2つで1つです。素晴らしい事業計画でも資金計画の裏付けがなければ評価はされません。数字を苦手とする起業家は多いですが、非常に大事なポイントになるので、しっかりと準備しておきましょう。

24.収支計画の根拠

売上高、売上原価、営業経費などの算出根拠について聞かれます。審査員の質問の中でも、もっとも重要な質問の一つになります。客観的なデータを集めて、一つ一つの項目を丁寧に合計して算出しましょう。

25.見積書について

外構や内装工事、購入する設備などの見積書について聞かれます。不自然な点や見積額が相場と比べて高すぎたり低すぎたりすると、その理由について聞かれます。

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26.締め日

締め日とは、入金や支払いの合計額を決める締め切り日です。たとえば「末締め翌25日」であれば、伝票や請求書などを月末で一度合計して、翌月の25日に入金(支払い)があるということです。締め日が決まっていない場合は未定と答えましょう。なお、現金商売の場合は「締め日なし」と答えましょう。

27.融資拒絶となったとき

融資ができない場合はどうするのか、その対応を聞かれます。通常、起業を断念するのか、他から資金調達をするのかの2択となります。過剰に反応して、怒りだしたり悲観的になったりするのは止めましょう。

28.満額回答できないとき

融資の回答額が希望金額に満たないときの対応を聞かれます。起業を断念するのか、計画を見直してダウンサイズするのか、他から資金調達するのか3択となります。計画を見直すときは、再度、事業計画を再考する必要があります。

29.他の資金調達の申請状況

他の金融機関に同時に融資申請をしているか否か、融資申請をしている場合はその見通しはどうかなどを聞かれます。他者に融資申請をしている場合は審査を進めていけば分かるケースが多いので、嘘はつかないようにしましょう。

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融資後の手続き

融資後の手続きについて聞かれたときは、融資が通る見込みが大きいと考えていいでしょう。これらのことを聞かれなかったとしても落ち込む必要はありません。審査が進めば、後日確認の連絡が来ることになります。

30.返済に関すること

毎月の返済額、返済回数、返済が始まるまでの据置期間など、事務的なことを聞かれます。返済回数や据置期間を長期に求めすぎると、「資金繰りは大丈夫だろうか」と審査員に不安を与えてしまうかもしれません。

31.融資実行の日

融資の実行となる日(通帳に入金がある日)を聞かれます。業者への支払い日などに合わせて設定しましょう。ただし、融資金額が通帳に入った日から利息が発生するので、早めに借り過ぎると利息分だけ損することになります。

まとめ

以上、起業家が融資審査のときに聞かれるポイントを31項目に厳選してまとめました。金融機関は申請者が考えている以上に情報を持っていますし、情報の裏付けをとるノウハウもあります。当たり前ですが、嘘だけはつかないようにしましょう。

 

今回はここまで。
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