運転資金と設備資金の違い|融資ではどちらが得か?

運転資金

みなさんは運転資金と設備資金と違いを説明できますか?

 

銀行から融資を受けるとき、運転資金で使うのか、設備資金で使うのか、資金の使いみちを聞かれます。しっかり理解していれば、銀行員との打ち合わせもスムーズです。

この機会に「運転資金と設備資金の違い」をマスターしておきましょう!

 

運転資金と設備資金の違い

運転資金とは?

運転資金とは、事業を運営(運転)するために必要な資金です。
具体的には、商品の仕入代金、人件費、家賃、外注費、販促費用、消耗品費などです。

運転資金は、決算書でいうと「損益計算書(P/L)」に計上されます。つまり売上原価や営業経費などに該当するものが運転資金となります。

設備資金とは?

設備資金とは、資産性のある設備を購入する資金のことです。
具体的には、店舗、営業車、OA機器、機械、パソコン、電話、事務机などです。

無形資産である特許や商標権、保証金、ソフトウェアなどに関する資金も設備資金に該当します。

設備資金は、決算書でいうと「貸借対照表(B/S)」に計上されます。つまり資産として認められるものが設備資金になります。

なぜ銀行は運転と設備を使い分けるのか?

なぜ銀行は運転資金と設備資金を使い分けているのでしょうか?

理由は単純で「運転資金と設備資金では、審査方法が異なるから」です。

 

決算書に計上する箇所が違うということは「資金の性格」が違うということです。資金の性格が違うということは、その融資金に期待する効果も違います。

つまり、銀行にとって運転資金を融資することで事業者に期待する効果と、設備資金を融資することで期待する効果は同じではありません。

 

ここら辺は少し難しい話になるので、また改めて記事にすることにしましょう。

 

 

融資ではどちらが得か?

設備資金

ひとくちに「」といっても、色々な考え方があります。

そのため「融資の受けやすさ」「融資を申し込むときの簡便さ」「融資の条件」の3つの視点に絞って解説していきます。

 

融資の受けやすさ

運転資金と設備資金でどちらが融資を受けやすいのでしょうか?

基本的に受けやすさは同じです。業績は一緒なのに、運転と設備の名目が変わるだけで融資の受けやすさが変わることはありません。

ただし、政府が経済を活性化させるため設備投資を企業に促すことがあります。
そのときは補助金や利子負担といった予算がつくため、設備資金の方が若干有利となります。

融資を申し込むときの簡便さ

通常、設備資金を申し込むときは様々な資料を準備する必要があります。
具体的には、見積書、事業計画書、資金繰り表といった資料です。

運転資金の場合は、このような資料は不要です。したがって、融資の申し込みについては運転資金の方が簡便といえます

融資の条件

運転資金と設備資金では、融資の返済期間が異なります。

運転資金は、事業を運営するための資金なので返済期間は短めとなります。具体的には3年~7年あたりとなります。

一方、設備資金は減価償却との兼ね合いから返済期間を長めに設定できます。具体的には10年~20年あたりです。

ただし営業車のように償却期間(耐用年数)が短い資産については長期返済を設定できません。
減価償却が終わって資産がゼロとなっているのに、借入金(負債)だけ残っているのは感覚的にもおかしい気がしますよね。

 

 

以上で、運転資金と設備資金の違いを整理できたと思います。ここまで知っていれば銀行員とも対等に話すことができます。

 

少し簿記の話になりますが、重要なことなので追記しておきます

確認ですが、設備資金は「貸借対照表(B/S)」に計上されますよね。ほとんどの設備は減価償却されますので、「減価償却費」も発生するはずです。

 

ということは、どうなるか分かりますか?

 

仮に融資を「設備資金」名目で受けておいて、次の決算書(確定申告書)で資産や減価償却費が計上されていなかった場合、大問題となります。

融資審査は裏付け調査でもあります。一度信用を失ってしまうと、取り戻すのは大変です。金融機関相手に嘘をつくことは止めた方がいいでしょう。

 

 

今日はここまでにします。

お役に立てましたか?

運転資金にも「借りると危険な運転資金」が存在します。関連記事として紹介しておきますね。

 

関連記事:
思わぬ落とし穴!こんな運転資金で融資を受けると危険!

 

 

この記事を書いた人

maezono

前薗 浩也

中小企業診断士、1級ファイナンシャルプランナー技能士、MBA。

日本政策金融公庫で起業家・中小企業向けの融資審査に16年間従事。この間の支援実績は7,000社を大きく超える。
審査員時代、起業して数年で経営破綻していく事業者たちを目の当たりにする。審査員でありながら起業家・中小企業を上手く経営支援できない自分に思い悩み大学院へ進学。そこで「起業の成功要因」を研究し論文を執筆する。
独自に積み上げた知見に基づき、自らも起業。現在は全国の起業家・中小企業を対象に「新事業の立ち上げ・売上の定着化」に特化した支援活動を行う。

2017年、一人で起業する「一人起業家」を専門にサポートする起業家バンクを設立する。

 

 

 

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すべて前薗浩也が執筆または監修しています。

主に起業家・起業後5年以内の経営者に役立つ情報を発信しています。

 

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