【2026】5分で分かる「中小企業成長加速化補助金」のポイント

中小企業成長加速化補助金は、中小企業が「売上高100億円」を目指して「100億宣言」を行い、その実現に向けて1億円以上の成長投資(建物・機械・ソフト等)を実施する際に、費用の一部が補助されるものです。補助率は1/2、補助上限は最大5億円と、大型補助金として注目されています。
ここでは、申請前に押さえておきたい「対象者」「事業計画の考え方」「対象経費」「注意点」を、分かりやすく解説しています。貴社も「100億円宣言」を次の成長に向けた一手として捉え、本補助金を活用し、100億円企業を目指してみませんか。ぜひ最後までご覧ください。
補助金の対象となる事業者
「中小企業等経営強化法」に規定されている「中小企業者」に該当する中小企業・個人事業主・組合・連合会で、次の「必要要件」を満たし、かつ事業終了後の建物・設備等の管理・運営等に責任を持って実施することができる中小企業者が対象となります。
・補助対象経費のうち投資額が、税抜き1億円以上であること(専門家経費、外注費を除く)
・補助金の公募の申請時までに補助事業者の「100億宣言」が100億宣言ポータルサイトに公表がされていること
・一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること(賃上げ実施期間は、補助事業終了後3年間)
・日本国内において補助事業を実施すること
なお、「100億宣言」は、売上10億円以上100億円未満であることが前提条件となるため、売上高10億円未満の中小企業は、原則として本補助金の対象外となります。
必要要件の「100億宣言」について
100憶宣言とは
「100億宣言」とは、売上高10億円以上100億円未満の中小企業が、自社の大きな成長を目指し、「売上高100億円の実現」という挑戦的な目標を掲げ、その実現に向けた具体的な取組を宣言する制度です。この宣言は、単なる目標の表明にとどまらず、企業が次の成長段階へと進むための支援を受ける入口となります。
「100億宣言」を行うことで、「中小企業成長加速化補助金」や各種税制優遇といった政府支援を活用できるようになるほか、業種や地域を越え、経営者同士がつながる「100億企業を目指す企業のコミュニティ」に参加することが可能になります。このコミュニティは、情報交換や相互支援の場として機能しており、補助金以上にこのネットワークへの参加を目的として「100億宣言」を行う企業も少なくありません。
100億宣言の手続き
100億宣言の手続きは、「100億企業成長ポータル」サイトを通じて行われます。サイト上には専用の申請フォーマットが用意されており、企業概要や経営者のメッセージ、100億円達成に向けた課題とその対応策などを記載したうえで、オンラインで申請します。
申請に不備がなければ、通常、申請から約10営業日以内にポータルサイト上で公表されます。この公表が完了することで、「中小企業成長加速化補助金」の申請に必要な要件の一つを満たすことになります。そのため、補助金申請を検討する際は、まず「100億宣言」の実施とポータルサイトでの公表が第一のステップとなります。
100億企業成長ポータル:
https://growth-100-oku.smrj.go.jp/
必要要件の「賃上げ要件」について
賃上げ要件
補助事業が終了した日を含む事業年度を「基準年度」とし、この年度の「従業員1人当たりの給与支給総額」を起点として、3事業年度後(=最終年度)までの給与の伸びを評価します。
このとき、基準年度から最終年度までの「年平均の上昇率」が、全国の最低賃金の直近5年間の年平均上昇率である4.5%以上であることが要件となります。つまり、従業員1人当たりの給与を年平均4.5%以上で上昇させることが求められます。
さらに、この「1人当たり給与支給総額」の年平均上昇率が要件を満たしていれば、申請時に「給与支給総額」または「従業員1人当たり給与支給総額」のいずれかを目標指標として選択することが可能です。ただし、この目標指標は申請後に変更することはできません。
なお、2次公募では「1人当たり給与支給総額」の計算から役員が除外されました。1次公募では、「役員を含む」となっているため注意が必要です。
補助金の返還義務
最終年度において、年平均上昇率が4.5%に達しなかった場合は、未達成率に応じて補助金の返還が求められることになります。そのため、申請にあたっては、将来的な給与水準の見通しや計画を慎重に検討することが重要です。
補助金の対象となる経費
補助対象となる経費は、事業の拡大に直結する有形・無形の事業資産への相応の規模の投資を含むものである必要があります。加えて、それらの経費が本補助事業における取組として明確に区分・特定できることが条件です。補助率は総投資額の2分の1以内、補助限度額は最大5億円とされています。
対象経費の区分
・建築費
補助事業に必要不可欠な事務所、生産施設、倉庫などの新築、増築、改修、あるいは中古建物の取得にかかる費用が含まれます。建物の単なる購入や賃貸、土地代は補助対象外となります。
・機械装置費
補助事業で使用する機械装置、工具、器具の購入や制作、リース・レンタルに要する費用が対象です。これに加えて、機械の改良や修繕、据え付け、運搬にかかる費用も含まれます。
・ソフトウェア費
補助事業で使用する専用ソフトウェアや情報システムの購入・構築、リース・レンタル費用が対象となります。クラウドサービスの利用料も補助対象に含まれます。
・外注費
補助事業の遂行にあたって、必要な加工・設計・検査などの一部を**外部に委託(請負・外注)**する場合に発生する費用が該当します。
・専門家経費
補助事業を進めるにあたり、専門的な技術指導や助言を受けるために、専門家に支払う報酬などの費用が含まれます。
補助対象外となる経費
一方で、補助の対象外となる経費についても明確に定められています。たとえば、補助事業の実施内容の大部分を他社に外注や委託し、自社では企画や管理業務だけを担うような事業は対象外とされます。
また、実際の労働を伴わず、資産運用的な性格が強い事業も認められません。具体的には、無人駐車場の運営を行う際に、機械装置の購入だけを行うようなケースが該当します。さらに、導入した設備を自社で活用することなく、特定の第三者に長期間貸し出す事業も対象外となります。
なお、一次産業(農業・林業・漁業など)は対象外となりますが、たとえば同一敷地内において、専従の常用従業員が加工やサービス提供などの二次産業・三次産業的な事業を行う場合には、補助対象となる可能性があります。
補助金の対象となる事業計画・投資計画
提出する計画書
中小企業成長加速化補助金の申請においては、「投資計画書」の提出が必要となります。この計画書は、前述の「100億企業成長ポータル」からダウンロードできる、パワーポイント形式(30枚超)の指定フォーマットを使用して作成することとなります。
補助金の審査
補助金の審査は、①経営力、②波及効果、③実現可能性の3つの観点から、定量的・定性的に評価されます。採択されるためには、「100億円企業」への成長が現実的であると判断される説得力のある事業計画・投資計画を作成する必要があります。この計画書の作成は専門性が高く、内容も高度なため、商工会議所や専門家への相談も有効な手段となります。
本補助金の目的は「将来の売上高100億円を目指して、大胆な投資を進めようとする中小企業を支援する」ことにあります。そのため、老朽設備の単なる更新など、生産能力の向上が見込めない「更新投資」は補助対象外となるでしょう。
1次公募で採択された企業・事業計画の例
・建設会社
デジタル変革やDX推進による新たな現場施工を実現する次世代型の建設事業
・食品製造会社
新工場稼働で国内店舗数3倍増と東南アジア5か国海外初進出で売上100億円突破実現
・ヘアサロン/ネイルサロン
全国展開を加速する即戦力育成型サロンモデルの構築とLTV(Life Time Value)国内1戦略
・金属精密加工業
新棟増設による半導体製造装置向け設計・高付加価値部品加工・組立・FAの統合ソリューション強化事業
・ウェディング会社
小規模&インバウンド婚礼による「宿泊一体のプライベートヴィラ」事業分散型婚礼への変革プロジェクト
金融機関の確認書
本補助金は、1億円以上の設備投資等を前提としており、大規模な事業展開を支援するものです。そのため、資金調達の現実性や財務面での裏付けが重視されており、申請には金融機関との連携が必須となります。
具体的には、計画書と共に「様式4(金融機関による確認書)」の提出が求められています。これは金融機関が事業計画の妥当性や資金面の実現可能性について確認し、支援の意思を示す文書です。この書類の取得には、事前に事業計画の内容を十分に説明し、審査や内部手続きを経る必要があります。そのため、金融機関への相談や交渉には一定の時間と準備が必要となる点に注意が必要です。
とくに、金融機関が補助金制度への理解を深める必要がある場合や、追加の書類提出を求められるケースもありますので、申請を検討し始めた段階で、できるだけ早めに金融機関に相談することが非常に重要です。スケジュールに余裕をもって準備を進めることで、申請期限までに必要書類を整え、確実に申請を行うことができます。
次回の公募
2025年12月に「中小企業成長加速化補助金」の第2次公募の公募要領が公開され、2026年2月24日(火)から3月26日(木)までが申請受付期間となります。2025年9月に実施された第1次公募では、有効申請件数1,270件に対し、採択件数は207件、採択率はわずか16.3%と、非常に高い競争率となりました。
しかし、2026年度の補正予算では、この「中小企業成長加速化補助金」に対して大幅な予算増が予定されており、2026年度中は継続的に募集が続く見通しです。また、予算増による採択率の上昇も期待されています。
まとめ
中小企業成長加速化補助金は、「売上高100億円」を目指す中小企業の大胆な成長投資を後押しする、注目度の高い大型補助金です。補助率1/2、上限最大5億円と支援規模は大きい一方で、「100億円宣言」の公表や、「賃上げ要件の達成」など、申請には明確な必要要件が設けられています。
特に重要なのは、更新投資ではなく「成長につながる投資」として説明できる投資計画を組み立てること、そして賃上げ要件(年平均4.5%以上)を現実的に設計し、未達時の返還リスクも踏まえて計画に織り込むことです。
制度理解と早期準備が結果を左右します。2026年も継続的に募集がされる見通しですので、要件とスケジュールを整理し、成長投資の好機をしっかり活用していきましょう。
今回はここまで。
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