起業家に伝えたい大切なこと

起業家が巻き込まれやすい詐欺・トラブルの紹介

起業家バンク事務局

2023.02.14

会社員の副業と会社設立

起業には良い面もありますが、注意すべきことも沢山あります。その中には、まだ経営のことに詳しくない起業家を狙った詐欺やトラブルの存在があります。これらは、起業前に知識があれば避けることができます。

この記事では、これから起業する方に知って欲しい詐欺・トラブルを6つ紹介しています。また詐欺・トラブルにあわないための対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてください!

詐欺・トラブルに巻き込まれないための知識

詐欺やトラブルに巻き込まれないために、まずは事業者として必要な知識を正しく身に付けましょう。なぜなら、起業家をカモにしようとする人たちは、起業家の知識の浅い部分を狙ってくるからです。まず、最初に知っておいてほしいのは、起業家と消費者保護法との関係です。

1.起業家は「事業者」であって「一般消費者」ではない

起業家は、自ら事業を起こして収入を得ようとする「事業者」ですよね。したがって、一般消費者には該当しませんので、一般消費者のように法律で保護されるわけではありません。

消費者と事業者の間で、消費者に一方的に不利な契約が結ばれた場合、消費者契約法により契約は無効となりますが、事業者同士の取引は、たとえ片方に不利な契約であっても、契約自由の原則により有効な契約となります。事業者間の契約では、契約自由の原則に則り、違法でない限りは、その自由意思を尊重するとされているのです。

2.個人事業主も「事業者」である

個人事業主は個人だから消費者だと誤解されますが、会社だけが「事業者」に該当するわけではありません。消費者契約法においては、個人事業主も事業者であると明確に定められています。フリーランスも個人事業主に該当しますので、誤解のないよう意識しておきましょう。

3.事業者間の取引にはクーリングオフが適用されない

クーリングオフとは契約したあとでも一定の期間内は無条件で契約を解除できる制度のことです。契約書面を受け取った日を含め、原則8日以内に書面や電子メール等で通知すると契約を解約することができるクーリングオフも消費者を保護するための制度ですので、事業者間の契約には適用されません。

詐欺・トラブルの6つの事例

近年では、一見しただけでは分からない詐欺やトラブルも増えています。あとで「詐欺だとは思わなかった」と後で気づいても、どうしようもありません。そこで、起業家の周りにひそむ詐欺やトラブルの事例を6つ紹介します。どんな詐欺・トラブルがあるのかを事前に知っておき、起業時のリスクを回避できるようにしましょう!

事例1 高額なセミナー/コンサル

起業家は、自分のビジネスを良くしようと学習意欲が高い傾向にあります。その意欲を逆手にとり、高額なセミナーやコンサル料を請求する人がいるのも事実です。

もちろん、高額でも価格に見合った内容のセミナーも存在すると思いますが、それがあなたの事業に直接役立つ内容ではないかもしれないことを心に留めておかなければなりません。では、無料セミナーであればいいのか、というと一概にそうではありません。無料セミナーは単なる餌であって、起業家リストとして名簿に載せられて売買されたり、高価格帯のプランの営業を受けたりするケースもあります。

セミナーやコンサルを選ぶときは、地元の商工会議所・商工会のセミナーや、よろず支援拠点といった公的機関のコンサルに、まずは相談する方が賢明と言えるでしょう。

事例2 投資詐欺

起業家の資金や売上金を狙って投資を持ちかける詐欺もあります。近年では、仮想通貨やNFTなど新たな投資手法が続々とあらわれ、それに伴う情報も目まぐるしく変わっています。

このような中、「これはまだ誰もやっていない投資だから儲かる」とか「早く始めたほうが利益がたくさん出る」などと出資をもちかける人には要注意。あなたの資金をだまし取ろうとしている可能性大です。

大前提として、投資に絶対はありません。儲かるかどうかわからないというリスクを負うのが投資。必ず利益が出る方法があれば、すでに誰もが(その話を持ちかけてきた人自身も)人に教えたりせずに自分でやっているはずです。

ひとたび詐欺師に出資してしまえば、そのお金は戻ってこないことがほとんどですので、うまい話は存在しないのだと肝に銘じておきましょう。貴重な創業資金を無駄に使わないよう何に支出するかは慎重に決める必要があります。

事例3 情報商材

情報商材とは、有料で販売される情報のことです。インターネットの普及により誰もが簡単に売り買いできるようになりました。セミナーなどと違い、遠方に足を運ぶ必要もなく、自分の好きな場所・都合のいい時間に情報を取得できることから多くの起業家が活用しています。

しかし、情報商材のデメリットは、購入するまでは中身が見えないことです。その穴を利用して、無益な情報を高額で売りつける詐欺も横行しています。最近ではSNSのダイレクトメールを使って、直接起業家に営業してくるケースもあるようです。なかには、著名人や成功者の知り合いを装って連絡してくる人もいるので注意しましょう。

 事例4 取材商法

取材商法とは、雑誌社の記者を名乗る人から「あなたの事業を経済雑誌に掲載したいから取材をさせてほしい」という電話が突然かかってきて、雑誌への掲載料を請求する手法です。

インタビュアーは昔テレビで見かけた芸能人であることも多く、インタビュー後に担当者と商談が始まり、雑誌の掲載料の話が持ち出されます。実際にインタビューを受けた後だと断りづらいですよね。その断りづらさを利用している方法です。

もちろん広告効果が期待できるならば問題はありませんが、そもそも雑誌の発行部数が少なかったり、雑誌の読み手と自社のターゲットが整合しなかったりする場合は、広告費用を上回る効果はとても期待できません。また、実際に掲載されるならば詐欺には当たりませんが、前金だけを払わせて雑誌に掲載されない詐欺も多いようです。

資本金に余裕のある企業、ちょっと変わった商売をしている起業家、有名になろうと躍起になっているベンチャー企業は標的になりやすいので注意しましょう。

事例5 契約トラブル

契約は口約束だけでも成立してしまいます。そのため、何か問題が生じたときに「言った、言わない」の水かけ論になってしまうことが多いです。その対策として、証跡の残る契約書、少なくともメールなどで交渉経過を残しておく方が賢明でしょう。

契約書を結んでいなかった場合、例えば、店舗の内装工事で、「依頼していた工事(設備)と異なる」、「依頼していない工事分を上乗せされて請求があった」といったトラブルが起こる可能性があります。

また、工事業者が不安をあおり必要のない追加工事を促し、結果として予定より費用がかかってしまうこともあります。大きな支出をする場合は相見積書をとることを癖付けましょう!

事例6 社内資産の持ち逃げ

事業をスタートすればお金、ノウハウなど社内には有形無形の資産が蓄積されていきます。有形無形にかかわらず、事業者にとってはすべて大切な財産です。その社内資産を信頼していた社員が持ち逃げしてしまうトラブルは、おそらくあなたが想定している以上に多いかもしれません

営業秘密の持ち出しは不正競争防止法で禁止されていますが、一度流出してしまえば流出前と同じ状態に戻すのは困難です。また、持ち出しされたものが金銭の場合、事業の破綻に直結してしまいます。特に金銭管理は慣れていなくても極力自分でコントロールするよう心がけておきましょう。

詐欺やトラブルに遭わないための対策

事業者は消費者と同じように保護されてはいませんが、事業者間の取引でも詐欺に該当すれば契約を取り消すことができます。しかし、詐欺であることの立証はとても難しく、時間も費用もかかってしまいます。

そのため、まず詐欺やトラブルに巻き込まれないことがとても大切です。そこで、詐欺やトラブルを回避するために、ご自身でできる簡単な対策を3つお伝えします。

① 即断即決をしない

人は「今だけ」、「あなただけ」と特別感を出されると判断を焦りがちです。その心理を悪用して、わざとあおってくる悪徳業者もいます。「相手の身元は確かなのか」、「話の内容に根拠はあるか」、「話がうますぎないか」など様々な視点から疑い、相手の話を冷静に受け止めるようにしましょう。そして、その場で即決しないことが大切で、「一度、検討します」と持ち帰って、色々と調べてから結論を出すようにしましょう。

② 金銭や情報の管理を徹底する

金銭やノウハウなどの重要な資産や情報などは厳格に管理しましょう。セキュリティ対策を見直す、管理者の権限を限定する、社内教育に力を入れるなどの対策は、社内の持ち逃げ対策にも有効です。特に金銭面の管理は非常に重要になるので、経理任せにしないよう、必ず自分でコントロールをしておきましょう。

③ 信頼できる人に相談する

不安に思ったときは、積極的に信頼できる人に相談しましょう。当事者ではない第三者のほうが冷静に判断できます。弁護士や税理士など専門知識を持つプロに相談する方がいいですが、「信頼できる専門家がいない」、「相談費用を支払う余裕がない」という人は、前述した商工会議所や商工会などの公的機関に相談するのがおすすめです。

まとめ

詐欺やトラブルにあう原因は「自分だけは大丈夫」という気のゆるみもあると思います。身近に詐欺やトラブルがひそんでいることを認識し、その対策方法を身につけましょう。この記事を読んで、一人でも多くの起業家が詐欺やトラブルを避けることができれば幸いです!

今回はここまで。
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この記事を書いた人

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