起業家に伝えたい大切なこと

起業タイプとは|ベンチャーとスモールビジネスの違い

起業家バンク事務局

2019.01.12

3億円の資金を集め、起業5年目で売上高100億円を達成!」といったニュースを見ると、このベンチャー企業がやっている起業と自分がやろうとしている起業は違う、と感じることはありませんか?

ひとくちに起業といってもすべて同じではなく、大きく4つの種類に分かれています。あなたは、どの種類の起業タイプに当てはまりまるでしょうか?

起業の種類を知らないと損をする

起業に種類があるということは、それぞれ特徴が違うということです。特徴が違うということは、起業後の戦い方、注意点が違うということです。そのため自分がやろうとしている起業がどの種類に当てはまるか知っておくことは、実はとても大切なことで、この特徴を知らないと「なぜ、上手くいかないんだろう」と必ず困ることになります。特にこれから起業する方は、この4種類の特徴を知っておいて、絶対に損はありません!

起業の4種類とは

・ベンチャー企業
・系列型の起業
・地域密着型の起業(生業型の起業)
・ニッチ起業

起業の種類はこの4つになります。ニッチ起業と地域密着型の起業を合わせて「スモールビジネス」と呼ぶこともあります。

 

・起業の4種類のイメージ図

縦軸の意味

縦軸はマーケット(市場規模)の大きさで分類されていて、マーケットが大きい上段でポジションを確立できると、大きな売上をあげることができます。逆に、下段のマーケットの小さいところでポジションを確立しても何十億という売上をあげることは難しくなります。

大きな売上高をあげるには、大きな仕事が必要です。経営陣1人で大きな仕事を回すのは難しいので、上段は複数の経営陣で起業するチーム戦となります。下段は複数人で起業すると小さな利益の取り合いとなってしまうので、基本的に経営者1人で起業する個人戦になります。

横軸の意味

横軸はリスクの高さを表しています。事業の立ち上げにおけるリスクとは、ビジネスモデルが確立されているか否かです。

すでに成功している他社のビジネスモデルをマネることができればリスクが少ないですが、誰もやったことがない前人未到のビジネスモデルを創るとなると非常に大きなリスクとなります。マネできるビジネスモデルがあるか否かは、リスクを大きく左右するのです。

あーでもない、こーでもない、と試している間にコストがかさんでいくわけですね。前例があるか否か(マネできるか否か)、つまり新規性の高さによってリスクが変わります。

 

マーケットとリスクの掛け合わせで起業の種類が決まる

起業の4種類は、マーケットの大小リスクの高低の掛け合わせで決まります。2×2の4種類ですね。起業はこの4種類のいずれかに当てはまります。

左側:ライバル企業が多い

圧倒的に多い起業の種類は左側(リスクが低い)です。すでにビジネスモデルが確立されていて堅実に儲ける方が好まれています。その分、ライバル企業が多くなります

右側:成功すれば高収益

右側(リスクが高い)は、ライバル企業が少なく、ここでポジションを確立すると、その分野のトップ企業になりやすいため高収益が得られます。チャレンジ精神旺盛な起業家に向いていますね。

 

それでは、起業の4種類の特徴を順番に解説します。

ベンチャー企業の特徴

ベンチャー企業の例として、日本で初めてモバイルサイトでの生命保険を開始したライフネット生命をイメージしてみましょう。

戦い方

本来、マーケットの大きい領域は大企業がポジションを確立しています。しかしリスクの高い領域は、短期的に収益を出しにくく、カニバリゼーション(自社の売上を落としてしまう)することもあるので、なかなか大企業は入ってきません。ベンチャー企業は、この大企業のいない領域で戦います

コツコツとヒットを打って塁をためて点を取りに行くのではなく、三振してもいいのでホームランを狙いに行くというスタイルですね。

注意点

1.ベンチャー企業はリスクが高いことから、起業当初は金融機関からの融資を受けられないことが多いです。当面は、投資家やベンチャーキャピタルからの出資を受けて資金を調達します。

2.複数人の経営陣で起業することから、仲間割れしやすいのが特徴です。全員が同じゴールを見るように意識付けをしていないと、足並みがそろわず、空中分解してしまいます。

3.ベンチャー企業の領域で成功すると、大企業のライバル企業が増えます。自社が確立したビジネスモデルが、他社からの模倣の対象となるわけです。スピード感をもって走り抜けるか、大企業に会社を売却するかの選択を迫られます。

4.起業した領域が、実はマーケットが小さい(または大きくなる見込みがない)ことがあります。実はベンチャー企業ではなく、ニッチ起業だったというケースです。

系列型の起業の特徴

大手や中堅企業の系列・グループ会社として起業するタイプです。系列型の起業の例として、大手建設会社の専属下請け会社をイメージしてみましょう。

戦い方

起業当初から仕事が回ってくるので、起業の4種類の中で、もっとも早期に経営が安定しやすいのが特徴です。基本的な戦い方としては、商品開発やマーケティングといった「攻め」よりも、社内体制の構築といった「守り」が重要となります。

コンプライアンスや内部規則の徹底、品質や納期の管理など、社内体制をしっかり整えましょう。グループ会社のミスは、親会社のミスでもあるので、社内体制が整わないと親会社から仕事が回ってこなくなります。信頼を勝ち取ることが当面の目標となります。

注意点

系列型の起業の最大の弱点は、1社依存の体質になることです。仕事を出してくれる1社と永続的に取引が出来ればいいですが、そう簡単ではありません。
社運を握られているのも同然なので、その1社から取引を打ち切られると、売上はたちまちゼロとなります。社内体制を整えた後は、自社商品の開発や他の取引先を探すなどのリスクヘッジが必要です。

地域密着型の起業

飲食店、美容室、診療所、小売店など、もっとも多い起業の種類が地域密着型となります。

戦い方

商圏は2~3㎞と狭く、その中でライバル企業が多いので、いかに他社に先行して顧客を獲得するかが大切です。特に顧客のストック=常連客化がポイントとなります。常連客化するには、新規客の獲得が必要です。常連客化、新規客の獲得の2つのテーマを常に考えておきましょう。

商圏が限られるため、営業やチラシなどのリアルマーケティングが上手く機能します。もちろんウェブを使った集客も有効です。資金調達は地方銀行や信用金庫の融資と相性が良く、条件が合えば補助金や助成金を活用するのもいいでしょう。

注意点

限られた商圏の中で、ライバル企業が多いので、常連客化できないと苦戦します。毎日のように新しいライバル企業も生まれてくるので、顧客はしっかりと囲い込んでおきましょう。

ニッチ起業の特徴

「地域密着型の起業」は商圏が限られましたが、ニッチ起業は、ターゲットとなるお客さんが限られるイメージです。コスプレ衣装の販売店など、レアな商品やサービスを扱う専門店が該当します。

戦い方

お客さんが限られるので、ウェブ集客が適当で、チラシなどのリアルマーケティングとは相性が悪くなります。お客さんが少ないうえに、商圏まで絞ると採算がとれなくなるからです。ウェブ集客でリアルな顧客と接点をもち、その顧客を起点として事業を広げていくのが王道となります。

注意点

ニッチ起業の最大の弱点は、資金調達です。資金が底を尽きやすいという特徴があります。

資金調達に苦労する理由を簡単にいうと、新しいビジネスモデルは金融機関に指標(データ)がないので融資審査で否決になりやすく、かつマーケットが小さいので出資の対象にもならないからです。出資も融資も受けられず、資金調達先が見つからないという難点があります。

ニッチ起業は、自己資金で回せるぐらいに小さく始める方がベターです。売上が立てば金融機関の融資が付くので、売上が立つまで辛抱強く待ちましょう。

まとめ

ひとくちに起業といっても、起業には4種類あって、それぞれ特徴が違います。自分の起業の種類を見極めて、自分の種類に合った戦い方を心掛けましょう。

 

今回はここまで。
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