起業家に伝えたい大切なこと

事業再構築補助金の採択結果の分析

起業家バンク事務局

2021.06.26

予算総額1兆円1,485億円の大型補助金「事業再構築補助金」の第1回目の採択結果が、2021年6月16日と18日に発表されました。この記事で、採択結果の簡易な分析を紹介します。

緊急事態宣言枠の分析結果

 概要

まず、事業再構築補助金(第1回)の「緊急事態宣言枠」の採択結果について報告します。応募総数は5,181件で、そのうち申請要件を満たしている有効申請件数は4,326件、そして採択件数は2,866件でした。すなわち、応募総数のおよそ55%、有効申請件数のおよそ66%が採択された結果となります。

申請要件を満たしていない件数が855件あり、応募総数の約15%となっています。補助金の申請で良く言われていることですが、「必要書類の添付漏れ」が最も多いと推測されます。

採択結果の分析

次に、採択結果の分析を、ジャンル別に報告します。この分析は「採択結果・全国統合版」に基づいて作成しています。なお、この分析は、以下のURLより、各事業者が事業計画名等において各々のワードを、直接言及している件数をまとめたものになります。
出典場所:事業再構築補助金事務局の採択結果

コロナ対策

まず、「コロナ対策」について言及している事業者に着目しました。実際に、採択された事業者2,866件のうち、「非対面」に言及していたのが47件、「非接触」は34件、「リモート」については10件の事業者が言及しており、これらを合わせると、91件になります。また、「オンライン」に言及していた事業者は176件と非常に多く、「EC」について言及した事業者が181社いました。したがって、事業計画において、コロナ対策関連ワードに言及した事業者は少なくとも448者いると予測でき、採択された全事業者のうち、およそ6者に1者がコロナ対策に言及したことになります。

 IT関連

次に、「IT関連」について言及している事業者に着目しました。事業計画の中で「EC」について言及した事業者が181者、「オンライン」に176者、「システム」に147者、「アプリ」に42者が言及しており、これらを合計すると546者となり、採択された全事業者のおよそ5者に1者が、IT関連の導入を検討していることが分かります。なお、「ドローン」に言及している事業者も多く、その数は36者でした。

フードサービス

次に、フードサービスについて言及している事業者に着目しました。「テイクアウト」に言及をしている事業者は160者、「弁当」に言及している事業者が52者、「デリバリー」は43者、「キッチンカー」は40者と、コロナ禍で非接触型のフードサービスを計画する事業者が非常に多くいました。テイクアウト弁当のように、ワードが重なるケースもあったため、正確な事業者数は把握していませんが、対面機会の少ないフードサービスに言及している事業者の採択率が高いと思われます

フランチャイズ

事業計画の中で「フランチャイズ」に言及している事業者はわずか7者でした。事業再構築の有効な手段の一つと考えられていたフランチャイズですが、採択件数は極めて少なく、フランチャイズを伴う事業再構築は採択率が低い傾向にあると考えられます。

 

通常枠の分析結果

概要

事業再構築補助金(第1回)の「通常枠」の採択結果について報告します。応募総数は17,050件であり、そのうち申請要件を満たしている有効申請件数は14,913件、そして採択件数は5,150件でした。すなわち、合計応募総数のおよそ30%、有効申請件数のおよそ35%が採択された結果となります。

採択結果の分析

次に、採択結果の分析を、ジャンル別に報告します。この分析は「採択結果 全国統合版」に基づいて作成しています。なお、この分析は、以下のURLより、各事業者が事業計画名等において各々のワードを、直接言及している件数をまとめたものになります。 
出典場所:事業再構築補助金事務局の採択結果

コロナ対策

通常枠でも、「コロナ対策」を事業計画に盛り込む事業者が一定数いました。実際に、採択された事業者5,150件のうち、「非対面」に言及していたのが46件、「非接触」には64件、「リモート」については14件の事業者が言及しており、これらを合わせると、124件になります。また、「オンライン」に言及していた事業者は106件、「EC」について言及した事業者が142者と非常に多くなっています。したがって、事業計画において、コロナ対策関連ワードに言及した事業者は少なくともおよそ372者いると予測でき、採択された全事業者のうち、およそ14者に1者がコロナ対策に言及しています。

IT関連

次に、「IT関連」について言及している事業者に着目しました。事業計画名の中で「EC」について言及した事業者が142者、「オンライン」には106者、「システム」には246者、「アプリ」には46者が言及しており、これらを合計すると540者となり、採択された全事業者のおよそ5者に1者が、IT関連の導入を検討していることが分かります。なお、「ドローン」に言及している事業者も多く、その数はおよそ24件でした。

フードサービス

次に、フードサービスについてについて言及している事業者に着目しました。「テイクアウト」に言及をしている事業者は81者、「弁当」に言及している事業者が36者、「デリバリー」も36者、「キッチンカー」は11者いました。非接触型のフードサービスを計画する事業者は、緊急事態宣言型と比較すると少ないことが分かりました。

フランチャイズ

通常枠の事業計画の中で、「フランチャイズ」に言及した事業者はわずか12者でした。採択件数は極めて少なく、フランチャイズを伴う事業再構築は採択率が低い傾向にあると考えられます。

まとめ

注目度の高い事業再構築補助金でしたが、非常に難解な設計ということもあって、予想よりも申請者数が少ない印象でした。また、事業の再構築と相性が良いと考えられていたフランチャイズの採択件数が極めて少なく、他力本願的な再構築は評価されないと思われます。自社の経営資源を活かすことができ、かつ既存事業とシナジー効果が期待できる事業再構築だと評価が得やすいかもしれません。

 

今回はここまで。
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