審査員の声を直送!日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫

起業家バンクの創設以来、全国の皆様から数多くの起業相談・経営相談をいただいています。

日本政策金融公庫の出身ということもあって、日本政策金融公庫の創業融資に関するお問い合わせが非常に増えています。

差し障りのない範囲で、重複する疑問点についてまとめました。

 

【目次】

日本政策金融公庫について

1.日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している政府系の金融機関です。

2008年、日本政策金融公庫の前身である国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫の3機関が統合して設立されました。
沖縄県を除く46都道府県に支店があり、起業家や中小企業に事業融資を行っています。

2.融資制度が複雑で、どの制度で申し込めばいいか分からない

起業時の融資制度は、通常「新創業融資制度」で申込します。

特に新規性の高いビジネスモデルであれば、中小企業経営力強化資金や資本性ローンといった制度もあります(2018年2月時点)

公庫は政府系の金融機関なので、政策によって融資制度の内容が変わります。

3.無担保無保証の意味が分からない

新創業融資制度は、原則「無担保無保証」となります。

無担保は、不動産担保などの担保が不要ということです。無保証とは連帯保証人が不要であることを意味しています。

4.法人の代表者は連帯保証をするのか

新創業融資制度(無担保無保証)ならば、法人の代表者であっても連帯保証は不要です。

株式のほとんどを保有している実質的な経営者がいる場合は、その経営者と共に連帯保証を求められることがあります。

5.起業後に創業融資を申し込みできるか

起業した後でも創業融資の申し込みは可能です。この場合は、創業計画書ではなく、帳簿(実際の稼働状況)を見て融資判断をします。

ただし決算や確定申告を2回行った場合は「新創業融資制度」は利用できません。(2018年2月時点)

6.副業でも申し込みができるか

事業性が認められれば副業でも申し込みができます。ただし投機性の高い事業の場合は融資対象となりません。

7.ベンチャー企業でも申し込みができるか

ベンチャー企業のようなマスマーケットを対象にした新規ビジネスであっても申し込みは可能です。ただし、ベンチャー企業と融資との相性は非常に悪いので、良い結果を期待しない方がいいかもしれません。

 

関連記事:出資・融資を受けるコツ|資金を出す側の事情を知ろう

 

融資を申し込むとき

日本政策金融公庫

8.個人事業と法人では、どちらが借りやすいか

起業時点においては、個人事業も法人も借りやすさは変わりません

なお、起業後においては決算関係書類が整っている法人の方が借りやすくなります。これは日本政策金融公庫だけではなく、他の金融機関でも同じです。

 

関連記事:個人事業と会社設立、どちらで起業?悩んだ時の3つの基準

 

9.同時に他の金融機関に申し込んでも問題ないか

日本政策金融公庫への申し込みと同時に、他の金融機関に融資を申し込んでも問題ありません

もちろん自治体が運営している制度融資に申し込みしても問題ありません。

 

関連記事:制度融資で資金調達|5項目から使いやすさを評価する

 

10.融資を申し込む前に自己資金を支出してもいいのか

融資を申し込む前に自己資金を支出しても問題ありませんが、領収書などの裏付け資料は必ず保管してください

出金の経過が分かるように、なるべく通帳から振り込みしましょう。

11.店舗・事務所の賃貸契約は事前に締結するのか

賃貸契約まで締結する必要はありません。本契約の前に貰う「重要事項説明書」を提出すれば大丈夫です。

ただし、この物件を借りると申し出ておきながら、別の物件を借りるのはNGです

ケースによっては、融資金を引き上げられることになるので注意しましょう。

 

関連記事:起業家必見!賃貸借契約のサイン前にこの3点を確認せよ

 

12.許認可は事前に取得するのか

許認可は、融資実行時(または融資直後)に確認します

融資の申し込み前に取得していなくても大丈夫です。

 

許認可(許可・認可)が必要な事業を一瞬で検索できる

 

13.法人の資本金を借り入れできるか

資本金を借り入れることはできません

資本と負債(融資の借入金)は財務会計上、別扱いとなります。

14.自己資金は十分あるが、実績作りのために融資を受けた方がいいか

価値観の問題になりますが、将来的に金融機関から借り入れする可能性があるのならば、少額を借り入れしてもいいでしょう

低金利なので少額融資ならば支払利息はほとんど発生しません。また自治体によっては支払利息を補てんする制度が設けられています。

15.運転資金はいくらぐらいで申し込めばいいか

事業モデルによっても異なりますし、現金商売か掛け商売かによっても異なります。

一般的には3~6カ月分ぐらいの経費に相当する金額と言われています。

 

関連記事:運転資金と設備資金の違い|融資ではどちらが得か?

 

16.事業を引き継ぐときに新創業融資は使えるか

基本的に「創業」にあたらないので新創業融資は使えません

まったく別個の事業体が生まれたと考えられる場合は新創業融資を利用できます。経営難の事業を引き継ぐ場合は、別個の事業体で創業した方が得策かもしれません。

17.過去に破産や個人再生をしているが、そのような人でも申し込みできるか

申し込みはできます。いつ債務整理をしたかにもよりますが、実際に融資がおりるケースもあります

ただし、通常よりも審査が厳しくなります。

 

創業融資の審査

日本政策金融公庫

18.融資審査は甘いのか

決して甘いわけではありませんが、起業家のバックグラウンドや事業計画等がしっかりしていれば、前向きな判断をしてもらえます

19.面接では何を聞かれるのか

非常に長文となるので、こちらの記事を参照してください。

 

関連記事:起業家が創業融資の審査で必ず聞かれる31のポイント

 

20.自己資金と認められるものを教えて欲しい

新創業融資には「自己資金の要件」が設けられています。一定額以上の自己資金がなければ融資対象となりません。

自己資金と認められるもの

・自分で貯めた資金
親族からの支援金(返済義務のないもの)
・退職金
・融資の申し込み前に行った支出(裏付け資料が必要)

自己資金と認められないもの

・裏付けのとれない現金預金
・親族からの支援金(返済義務があるもの)
・融資の申し込み前に行った支出(裏付け資料がないもの)

21.見せ金をしたらバレるか

一時的にどこからか資金を調達して、それを自己資金として申し出ることを「見せ金」といいます。

見せ金は高確率でバレますので絶対にしないでください

22.融資審査で必要となる書類

自己資金が確認できる通帳、事業計画書、前の勤務先の源泉徴収票、身分証明書(運転免許証)などが必要になります。

 

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23.なぜ審査結果が早い人と遅い人がいるのか

様々な原因が考えられますが、提出資料に不備がない場合は比較的スムーズに審査結果が出ます。

通常、審査に要する期間は1週間~3週間ほどです。

24.ズバリ借入できる人と借入できない人の違いは?

借入できない人を基準に考えた方が分かりやすいです。基本的に融資判断は前向きな姿勢で行われます

借入できない人

・自己資金の裏付けが取れない人
・事業計画の完成度が低い人
・信用情報などの返済実績が悪い人

借入できる人

・上記の「借入できない人」に該当しない人

 

審査結果がでたとき

日本政策金融公庫

25.いつから利息が発生するのか

融資の契約日から利息が発生します。

融資契約は、正式には「金銭消費貸借契約」と呼ばれます。金銭消費貸借契約の契約日は融資が預金通帳に振り込まれた日になります。

26.追加融資を申し込むときのタイミング

追加で借入したい場合は、最初の融資から1年以上空けておくとスムーズに進みます。

最初の融資から間もないと、追加融資は出しくくなります。

27.融資の返済ができなくなったときはどうすればいいか

返済ができなくなったときは、通常リスケを申し出ます。

リスケとは、「リスケジュール(reschedule)」の略で、スケジュールを変更するという意味があります。金融機関で使われるリスケは、返済スケジュールの変更、つまり「毎月の返済額を減額する」という意味で使われます。

 

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28.融資を断られたとき事業計画を変更すれば審査結果は変わるか

基本的に審査結果は変わりません

ただし審査判断のボーダーライン上にあるならば、事業計画を再考することで審査結果が変わる可能性があります。

29.融資を断られても起業後に再申込できるか

起業後の実績によっては融資が認められる可能性もあります

ただし起業直後だと融資判断はできないので、数か月の稼働実績をもって再申込をしましょう。

30.日本政策金融公庫以外で資金調達できる方法はあるか

自治体が運営する制度融資で資金調達できる可能性があります。

積立型の生命保険を掛けている場合は、契約者貸付制度を使って資金を借入することもできます。

 

 

 

 

以上で、日本政策金融公庫の創業融資についてお分かりいただけたと思います。

 

今日はここまでにします。

なお、この記事以外に疑問点があれば、下記の「質問フォーム」からご連絡ください。

 

 

この記事を書いた人

maezono

前薗 浩也

中小企業診断士、1級ファイナンシャルプランナー技能士、MBA。

日本政策金融公庫で起業家・中小企業向けの融資審査に16年間従事。この間の支援実績は7,000社を大きく超える。
審査員時代、起業して数年で経営破綻していく事業者たちを目の当たりにする。審査員でありながら起業家・中小企業を上手く経営支援できない自分に思い悩み大学院へ進学。そこで「起業の成功要因」を研究し論文を執筆する。
独自に積み上げた知見に基づき、自らも起業。現在は全国の起業家・中小企業を対象に「新事業の立ち上げ・売上の定着化」に特化した支援活動を行う。

2017年、一人で起業する「一人起業家」を専門にサポートする起業家バンクを設立する。

 

 

 

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すべて前薗浩也が執筆または監修しています。

主に起業家・起業後5年以内の経営者に役立つ情報を発信しています。

 

 

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